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及び団体をFig.-1に示す。下記に示す調査方針に基づいて臨海部の地域は海岸を有する地方自治体とし、内陸部はそれ以外の自治体とした。なお、調査期間は1995年8月から11月にかけて行った。その調査概要をTab1e-1に示す。
また、研究の目的に沿って、以下の方針により比較、分析を行うこととした。
1)高齢者及び身体障害者の海に対するアクセシビリティに関する行動及び意識の分析を行う
2)海と生活環境の関わり方について、臨海部居住者と内陸部居住者の行動意識の差異を明らかにする
3)調査結果を下にしてクロス集計等を用いて高齢者並びに身体障害者の求める整備方向を検討する

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Fig.-1 Locations of Research Facilities

3−2 調査結果及び考察
1)海に対する意識
日常生活及び活動に対し様々な制約のある高齢者と身体障害者(被験者合計387人を対象)の海に対する好感度を調査した結果、全体としては好感度が高いことが判る。その配分は、大好きが29.97%、好き55.81%、少し好き10.08%であった。次に海辺を訪れたいかどうかを整理してみると、全体としての希望も極めて高く、ぜひ行きたいが20.16%、行きたいが52.45%、少し行きたいが19.12%であった、また、将来整備されたら訪れたいかどうかを詞べると、ぜひ行きたいが29.72%、行きたいが42.12%、少し行きたいが17.83%と希望者人数が90%弱であった。

Table-1. Outline of Survey

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2)高齢者及び身体障害者の海へのアクセシビリティ
高齢者及び身体障害者の海への訪問頻度をアンケ一ト調査結果を整理してFig.-2に示す。高齢者の海への訪問頻度によるアクセシビリティは、臨海部居住者と内陸部居住と比較すると、臨海部居住者の方が高くなっている。身体障害者では、高齢者とは逆に内陸部の居住者の方がアクセシビリティが高くなっている。

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Fig.-2 Visiting Frequency to Coast by Disabled

次に海辺を訪問したときの目的と、今後整備が整ったときに海辺を訪れる際の活動要望の調査結果を整理してFig.-3に示す。現状での訪問目的を頻度別に高齢者と身体障害者とを比較してみると、高齢者では散歩、観光、潮干狩りの順になっているのに対し、身体障害者では散歩、観光、日光浴となっている。また身体障害者の方が海での活動体系が静的であるのに対し、高齢者の方が動的である。これらより身体障害者の行動が静的、消極的であるという捉え方ができる

 

 

 

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